私の格好を確認するように全身に目を走らせ、ふたたび西村さんを見る。 「ひとりだけ特別扱いはよくないよなぁ……」 遠くを見るようにつぶやく西村さんに便乗するように、絵里奈も口を開いた。 「それなら、私もほしいな……春物の靴が今安くなってるんだよなぁ……」 どこか寂しさを漂わせるような言い方にすべてを察したらしく、社長はまたしても深いため息をついた。 「……わかったよ」