社長の堂々とした話しぶりに感心しきりだった様子の太陽石鹸の社長。 あのとき私だけ先に会議室の外に出たけれど、そのあいだに社長はお見合いについてなんらかの打診を受けていたのだろうか。 急に心臓がせわしなく鳴って、画面に集中できなくなった。目を上げると社長と視線がぶつかる。 社員たちの目線を受け止めて、彼は眉根を寄せたまま疲れたようにため息をついた。 竜崎がわざとらしく笑う。 「あれ、もしかして見合いの話、秘密でした?」 ははっと軽い調子で謝る竜崎を一瞥し、社長は二度目のため息をつく。