一途な社長の溺愛シンデレラ


「普通の女子みたいじゃん」

 微笑みながら平気で人を食ったようなことを言う彼は、4年前から見た目も中身も変わっていない。

「おはよう」

 ひとまず竜崎を無視して同僚たちに挨拶をすると、各々の席でぽかんとしていた西村さんと絵里奈がはっとしたように「おはよう」と口を開いた。

「沙良ちゃん、いいじゃん!かわいいじゃん!」

 今日の私はいつものパーカーとジーンズはやめて、ベッド脇に畳んであった服の中から柔らかな素材のブラウスとパンツを選んでいた。

 物珍しそうな視線をよこす絵里奈たちから南の窓側に視線を移すと、社長デスクは空っぽだ。そういえば、今日は朝イチで取引先に顔を出してくると言っていたっけ。