「あ~?なんだ この 坊ちゃん」
私から視線を離し、ドアの傍にいる晃哉君に視線を集めるヤンキー達。

「結愛さん、返しにもらいに来た」

「そんな体で 俺達に勝てるわけねーだろ!」
ギャハハハハと高笑いをあげるヤンキー達。

それでも キッとヤンキー達を睨みつける晃哉君。ヤンキー達は 晃哉君に殴りかかった。

「だ、ダメ!やめてっ!」
後ろで手を縛られているから動けない。
でも、晃哉君が殴られちゃう・・・
見たくなくて目を閉じた。

「グアッ」
苦しそうな声が聞こえた。こ、晃哉君・・・?
目を開けるのが怖い・・・。でも、目をそっと開ける。
すると、苦しそうに床にうずくまるヤンキーがいた。

え?こ、晃哉君?
晃哉君は 素手で、ヤンキー達をかわし、倒していた。ヤンキー達は 次々に倒れていく。とても・・・強い。かっこいい!ヒーローみたい!!!!
って・・・そんな事 考えてる場合じゃない。

あ、この隙に 後ろの紐をほどこう。
モゾモゾしていると、
後ろから首にナイフを突きつけられた。

体がヒヤッとして固まった。

お父様にリストラされたスーツの男が私の首にナイフを当てていた。