「そうですか・・・ありがとうございます」
お父様・・・私、一条の名を捨てるって言っちゃったけれど・・・
実際 何も行動していない。

学校でも 一条 結愛で過ごしていて、プリント用紙に書く名前も 一条 結愛・・・。

私・・・どうしたらいいんだろう。


私は 指切りげんまん の部屋へ行った。
ここに来ると、思いが溢れる。
自分が どうしたいか 理解できる不思議な場所・・・。

お母様も・・・心配してるわよね。
お父様の前では何も言えないけれど私と親友のように接してくれる。
お母様は庶民の生活を学ぶために庶民の学校へ通っていたそう。
今でも、たまに庶民感覚で私と話てくれる。

将来の話や 世間の話。お母様は私に短時間だけれど笑顔をくれた。

今は・・・晃哉君だけ。


今日は・・・何も 思いが浮かんでこないや。
晃哉君も用事あるらしいし、晃哉君の家へ帰ろう。
でも・・・あんまり頼りすぎていたらいけない。そろそろ自分の力で行動しなきゃ。

校門を出ると、車が1台 私の前で止まった。
一条家の車・・・?
いや・・・違う。他の方と間違えているのかしら?

すると、車から体の大きいSPが出てきた。
一条家のSPではない・・・。
そう考えたのも つかの間。
私は口を抑えられ、車に無理矢理 乗せられた。
声を出す時間も、驚く時間もなかった。