❆LastChristmas❆

そして、あたしと愛海は会社近くのカフェに向かった。


空いていた外の席に座った。


「あたし、待ってるから愛海先に良いよー。」


「ありがとう。じゃあ行ってくるね。」


そう言って、愛海は注文しに向かった。


スマホを弄っていたその時、


「淳史、それ本当ー?」


【淳史】と呼ぶ声が聞こえた。


「…淳史?いやいやまさかね…。」


でもあたしの予感は、的中してしまった。


そろーっと除くとそこには


…え?


その男性は間違いなく淳史君だった。


隣には楽しそうに笑う女の子の姿…。 


…何で?


訳が分からずボーッとしていたその時


「保、志保!」


声が聞こえた。


「え、何?」


「大丈夫?何かあった…?」


「…ううん。別に。」


…見間違いだよね…?


こんなの…。


嘘だよね?


そしてその日の夜、あたしは今日の事をモヤモヤしながらソファに座っていた。


その時


ブブ


バイブの音が鳴った。


画面を開くと淳史君からだった。


『志保、明日どこで待ち合わせする?』


相変わらずグイグイ来るトーク。


トークが来るたび内心ワクワクしていた。


…でも


文字を打っている最中、


今日のあの事を思い出した。



あの出来事が走馬灯のように出てきた。



結局、その日はLINEが送れなかった。