あ、どうしよう……。
覚えてないって言われたら、絶対へこむよ。

聞いてから後悔する、バカ春陽。



「……覚えてる」



新くんがそっけなく答えたその一言に、どうしようもなく嬉しさがこみ上げてくる。



「あ、ありがとう……嬉しい」



「ん」



こんなことで喜ぶわたしって、ほかの人からすればおかしいんだと思う。
単純極まりない、馬鹿女代表になれると思う。



けど、それでもいいんだって思えるくらい、新くんを好きになってる。