…やっちゃった。


「ごっごめんなさいっ」


すると慌てて謝るわたしに、思ってもいなかった声がきこえた。



「ドジかよ」




聞き覚えのある、大好きな大好きなその声に勢いよく顔をあげる。



「あ、あらた…くん」


相変わらずかっこいい…じゃなくて!!

どうしよ、なに話そう…。


わたしのパニックとは正反対に、新くんはパンを持ってすでに歩いていってしまっている。


「まっ、まって」



慌てて追いかけるわたし。
追いかけてどうするの、って思ったけど迷わず足が動いていた。