『んっ…あれっ…?えっ…?』

目を覚ましたはずなのに、目の前は真っ暗。

分かるのは、匂いだけ。

きっと、ここは病院。

「陽菜っ!」

『お…お母さん?』

「そうよ!陽菜、4日も目を覚まさなかったんだからね…?」

よ…4日も、寝てたの…!?

私はっ…

『ねぇ、お母さん。なんで真っ暗なの?』

「陽菜…。落ち着いて聞いてちょうだい。」

『うん。』

「陽菜ね、目が見えないの。陽菜は、事故に遭って、視力を失ったの。もう、陽菜の視力は、戻って来ない。」

『…っ!』





私は、もう、目が見えないの?


綺麗な青空。

どこまでも広がる海。

草の色。

友達の顔。

もう、みんな見えない。

大好きな彼の笑顔も、もう…