テレビをつける

画面左上の数字で時刻を確認

9:52

画面上では星座占い

いつも通り

布団から起き上がりカーテンを開ける

今日は曇り空

昨日は晴れだったか

真子は目覚ましをかけない

いつも大体10時前に起きる

夜は2時ごろに寝る

特に変わらない生活

真子は大学3年生

季節は秋

卒業単位はほとんど取得済

残すはゼミと卒研と就活

真子はバイトをしていない

学費と小遣いは奨学金という名の借金

実家から通っているので生活費はかからない

真子は朝起きるとまず洗濯をする

洗濯機が回っている間に部屋の掃除

洗濯物を干し

朝ごはんを適当に食べる

大体、インスタントのポタージュとロールパン

朝ごはん後、前日の夕飯の残り物を弁当に詰める

そして夕飯を作り始める

真子は父親と二人暮らし

母親は去年、家を出て行った

母親が出て行き、家事全般は真子がするようになった

今となっては出て行った母親の気持ちが分かる

父親は何もしない

食べたら食べっぱなし

洗濯も掃除もしない

休日はパチスロ三昧

嫌いだ

顔も見たくない

真子にとって父親は反面教師でしかない

何度家を出ようとしたか

しかし

学生であるということ

大学は家から十分に通える距離であるということ

バイトに勉強の時間を割きたくないということ

奨学金という借金を無為に増やしたくないということ

総合して考えて

諦めた

代わりに真子は父親と顔を合わせない生活を心がけた

朝遅く起きるのは父親が仕事に行った後に起きるため

夜遅く帰るのは父親が寝た後に家に帰るため

こういう生活のために

真子は夕飯を準備してから学校へ向かうのだった