ー人造人間の奇跡ー

全て吐き出した燐の背中をさする

時雨「…少しずつでもいいからの食べような?」

俺の言葉に燐は首を振り拒絶する

燐「帰ってください……」

俺から避けるように逃げ

また部屋の隅に顔を隠して座り込む

時雨「また明日くるからな…?」

今日は諦めるように牢屋から出る

時雨が牢屋から出た後

燐「気持ち悪い…私が欲しいのは…

愛が欲しいんです…嘘偽りのない

真実の愛が…あの人は何か違う……」

ボソボソと呟いていた

月の神の純粋な愛を受け取れない

可哀想な女神

明日会うと言ったがもう会えない

明日は……

彼女の運命の分岐点だから…

そんな事を思う裏側

静かな真夜中 ある人物が動き出す

??「お父様?これも運命のためですよ?」

実の父親をナイフで容赦なく刺していく

もう父親の意識はない

??「ふふ…♪これであのババアが逆上して燐は死ぬわね…♪時雨様 この世界では私を愛してね…?」

窓から月の光に照らされる綺麗な紫色の髪 紫色の瞳 燐に似た…腹違いの姉 蘭だった

蘭「あー明日が楽しみ…♪」

血に濡れたナイフを光悦した顔で見ながら

父親の部屋を後にする

これから燐に悲劇が起きる

月の神の純粋な愛は狂愛に変わる