《…ふぅ。お母様、真白君、落ち着いて聞いてください。…真白君は"良性の脳腫瘍"です。》




俺は一ヶ月前から具合が悪くて病院に来ていた。




ただのストレスかなんかだと思って、薬をもらって帰る予定だったのに。



…今、なんて言った?




俺が、病気?




《…とりあえず、経過を見ましょう。無理に頭の中を触ると、何が起きるかわかりません。幸いのことに良性なので手術をすれば治ります。手術についてですが……》




俺はカナヅチで頭を殴られた時のように頭に衝撃が走った。




医者が手術について話していたけど俺は頭に入ってこなかった。




聞こえるのは隣にいる母親がすすり泣く声だけだった。