本当は嘘だ。
紫外線がダメなことなのは本当だが、紫外線アレルギーではない。
私は紫外線が身体的にダメなのではなく、精神的にダメなのだ。
夏に浴びる強い紫外線が本当にダメだった。
あと水もダメだった。
あの日のことを思い出してしまうから。
私の双子の兄の夏輝(なつき)は、そんな私をいつも支えてくれた。
「夏海、帰るぞ」
「うん」
夏になると、私たちは一緒に帰るようになった。
夏輝曰く、『夏海を1人にするとどこかに行ってしまいそうだから』らしい。
それほど私にとってあの日は辛いことだった。
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