もう今頃は友達同士で集まってんのかな… てか最初から行く気なんかなかったし。 元々僕が人込みは嫌いだって知ってるくせに。 何で昂、誘ってきたのかな? 僕の頭はずーっと「?」なままで美嘉が 「ここで降りるんじゃないの?」と話し掛けてくれるまでバスが止まっていたことにすら気付かなかった。 マイペースで降りていく美嘉を見て我にかえった僕はズボンから伸びるチェーンの先にある財布を手に取り小銭を500円くらいだして乗車券と一緒に運転手の横にあるボックスに放り投げてバスを降りた。