まぁ、それはさておき。
門川は私を呼んだ。
あの少年が呼んだ名と、同じ読みをするもう一つの名。
巴。
衛という字は、当時少年が勝手に当て字でつけたものだ。
…気に入り、大切にはしているが。
話を戻し、その名の呼び方が驚いた様子だった為、
他3家当主は不思議そうに門川を見ていた。
だが当の本人は真剣そうに私を見ており、私は門川に対して微笑んでみせた。
「!」
驚いたような顔を視線の端に写し、少年に意識を向ける。
この組紐は、私が肌見離さず持っていたもの。
この組紐は、ずっとずっと昔にあの人の子がくれたもの。
色は紫。
そこそこ気に入っていたが、仕方ない。
元々、コレはあの人の子の物だった。
また会えた時、必ず返そうと思った。
…踏ん切りもつくというものだ。
色々…な。
それに、力がコントロール出来ないなら荒業も良い所だが…。
長い桜色のふわっとした髪を撫で、組紐で束ねる。
私の霊力・妖力の宿る…封じたも良い所の組紐は、
きっとこの少年の力の依代にもなれるだろう。
…。
ースリッ
最後に頭を擦り寄せた。
離し難い。
だが、この世でならば…。
今生こそ幸せになれるだろう。
私ではなく、人は人の世に。
少年を寝かせ、
私の羽織を上から掛けそして、立ち上がる。
「気絶させただけだ。今は眠らせておいてやれ」
「え、終わったの?」
「あぁ」
聞いてきた風魔の息子の問いにそう返事をし。
「あの紫の組紐は、当分の間は肌見離さず付けさせろ。それ以降は、本人の好きにさせて良い」
門川にそう伝える。
「…うん、分かった」
その後一言二言伝えた後、
私は4家に見送られて、門川の屋敷を後にした。
門川は私を呼んだ。
あの少年が呼んだ名と、同じ読みをするもう一つの名。
巴。
衛という字は、当時少年が勝手に当て字でつけたものだ。
…気に入り、大切にはしているが。
話を戻し、その名の呼び方が驚いた様子だった為、
他3家当主は不思議そうに門川を見ていた。
だが当の本人は真剣そうに私を見ており、私は門川に対して微笑んでみせた。
「!」
驚いたような顔を視線の端に写し、少年に意識を向ける。
この組紐は、私が肌見離さず持っていたもの。
この組紐は、ずっとずっと昔にあの人の子がくれたもの。
色は紫。
そこそこ気に入っていたが、仕方ない。
元々、コレはあの人の子の物だった。
また会えた時、必ず返そうと思った。
…踏ん切りもつくというものだ。
色々…な。
それに、力がコントロール出来ないなら荒業も良い所だが…。
長い桜色のふわっとした髪を撫で、組紐で束ねる。
私の霊力・妖力の宿る…封じたも良い所の組紐は、
きっとこの少年の力の依代にもなれるだろう。
…。
ースリッ
最後に頭を擦り寄せた。
離し難い。
だが、この世でならば…。
今生こそ幸せになれるだろう。
私ではなく、人は人の世に。
少年を寝かせ、
私の羽織を上から掛けそして、立ち上がる。
「気絶させただけだ。今は眠らせておいてやれ」
「え、終わったの?」
「あぁ」
聞いてきた風魔の息子の問いにそう返事をし。
「あの紫の組紐は、当分の間は肌見離さず付けさせろ。それ以降は、本人の好きにさせて良い」
門川にそう伝える。
「…うん、分かった」
その後一言二言伝えた後、
私は4家に見送られて、門川の屋敷を後にした。


