お正月には、総一郎さん、私、お兄ちゃん、詩織さんの四人で私の実家に行った。


お兄ちゃんの突然の結婚宣言と、私の同棲の報告でうちの両親はとても驚いていたけれど、二人ともすごく喜んでくれた。


『今度は、結婚のご挨拶に伺います』


帰り際に、総一郎さんがそう言ってくれたことが本当に嬉しかった。


そうそう、そこでお兄ちゃんのプロポーズの話も聞いたのだけれど、あの婚約披露のパーティーの中、大勢の人の前でプロポーズしたらしい。


寡黙でクールなお兄ちゃんがそこまでしたなんて、お母さんたちも驚いていたけれど、何より驚いたのは詩織さんのご両親だとか。


でも、普段から一目を置いていたお兄ちゃんが相手ならと詩織さんのご両親も快諾されたと聞いた。

『二人とも、本当に素敵な人に巡り会えたわね。大変なことはあると思うわ。でも、お互いのパートナーと乗り越えて頑張りなさい』


帰る間際、お母さんが私とお兄ちゃんの二人を手招きで呼び、そう言って背中を押してくれた。それがすごく心強いエールになった。