時計はもうすぐ七時。あまり遅くまでいるのも迷惑かなと思い、総一郎さんを起こさないようにそっと立ち上がろうとすると、強く腕を掴まれた。


「・・・どこ、行くの?」


「あっ、もう夜も更けてきたのでそろそろお暇しようかなと」


「・・・なんで?俺、送るよなんて言ったっけ?お酒も飲んだし、最初から優衣を帰すつもりもなかったけど」


そしてそのまま手を引かれ、総一郎さんの膝の上に乗るような形になってしまった。


慌てて「すみません」と立ち上がろうとすると、両手で体をホールドされ、立てなくなってしまった。


「決めてたんだよね。ここに連れてくるときは、もう帰さないって」


「えっ?」


「結構早くから考えてたんだけど、優衣がビックリするかなと思って様子見てたんだ。でもそろそろいいかなって。優衣、俺とここで一緒に暮らそう」


思わず総一郎さんの顔を見た。優しく微笑み、私を見つめる総一郎さんは、私を抱きしめたたまま会話を続けた。