総一郎さんから出た子どもという発言に、一瞬、想像を浮かべたけれど、慌ててないものにした。想像したってそれはさすがに無理だから。
「大変だと思いますよ。ずっと傷だらけで。総一郎さんは、どんな子どもだったんですか?すごくモテたんだろうな。それを考えるとちょっと、妬いちゃいますけど」
「そんなことないよ。ワガママで、他人を見下すくだらないガキだった。本当に俺、優衣に会うまではそんな人間だったから」
飾り付けをする総一郎さんの手がピタリと止まった。思い出を振り返るその表情はどこか哀愁を感じる。
忘れたい過去を無理やり掘り起こしているような気がして、私はそっと総一郎さんの手を握った。
「無理に話さなくていいです。だって私は今の総一郎さんが好きですから。私だって、思い出したくないことたくさんありますよ。私と総一郎さんの出会いだって思い出したら恥ずかしいですし」
「でもあれがあったから俺は優衣に興味を持って声を掛けたし、好きになったから大事な二人の思い出だよ。ごめん、手が止まっちゃったね。飾り付け早くしちゃおうか。遅くなっちゃうし。あっ、このトナカイ、優衣に似てる」
「トナカイ?どこがですか?」
「大変だと思いますよ。ずっと傷だらけで。総一郎さんは、どんな子どもだったんですか?すごくモテたんだろうな。それを考えるとちょっと、妬いちゃいますけど」
「そんなことないよ。ワガママで、他人を見下すくだらないガキだった。本当に俺、優衣に会うまではそんな人間だったから」
飾り付けをする総一郎さんの手がピタリと止まった。思い出を振り返るその表情はどこか哀愁を感じる。
忘れたい過去を無理やり掘り起こしているような気がして、私はそっと総一郎さんの手を握った。
「無理に話さなくていいです。だって私は今の総一郎さんが好きですから。私だって、思い出したくないことたくさんありますよ。私と総一郎さんの出会いだって思い出したら恥ずかしいですし」
「でもあれがあったから俺は優衣に興味を持って声を掛けたし、好きになったから大事な二人の思い出だよ。ごめん、手が止まっちゃったね。飾り付け早くしちゃおうか。遅くなっちゃうし。あっ、このトナカイ、優衣に似てる」
「トナカイ?どこがですか?」

