ハンドルを握る総一郎さんは、さっきとは違い、ニコニコとよく笑っている。

それにしても本当、ただ振り回されただけだったな。

あの二人、今頃少しは反省してくれてるといいのだけれど。


「こ、ここどこですか?」


総一郎さんが駐車場に車を停めて、スタスタと私を連れてきたのは、タワーマンションのエントランス。

中に入るとホテルの受付のようなカウンターがあり、スーツ姿の男性が立っていた。


「蓮見様、おかえりなさいませ」


「お、おかえりなさい?ま、まさかここ……」


「そう、ここ俺の家」


白を基調としたまっすぐそびえ立つタワーマンション。
中に入るとフロントには、コンシェルジュがいて、出迎えてくれる。


地上五十階建てのマンションの二階には、スーパーや託児所などが入っているらしい。


エレベーターに乗り込み、総一郎さんに説明されたことを頭の中でまとめてみたけれど、庶民の私から言わせると簡単に豪邸ということ。