運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「少しだけ俺の話をしてもいい?実はさ、俺、優衣に出会うまではいい加減な人間だったんだ。でも、優衣に出会えて俺は自分みたいな人間でも大事にしたい、幸せにしたいと思うことができるんだって。だから俺こそ優衣に感謝してるよ、ありがとう」


総一郎さんが優しく言うから、涙が溢れて止まらなかった。私はこんなにも総一郎さんに思ってもらえてるなんて、本当に幸せだなって。



ロビーに向かうと、お兄ちゃんはもう着いていて、隣には昨日の女性が一緒だった。


「はじめまして、ではないわね。麻生詩織(あそうしおり)です」


「影山優衣です。昨日はありがとうございました。それでお兄ちゃん、その話って?」


「優衣、俺、彼女と結婚することにしたから」

お兄ちゃんがしれっとそんなことを言うもんだから、私は目を丸くして、お兄ちゃんと詩織さんの顔を交互に見たけれど、お兄ちゃんは無表情で、詩織さんはニコニコと笑っているだけ。


「えっ?!えっ?ごめん、全くわからないよ、お兄ちゃん」



いきなり結婚と言われても驚くことしか出来ない。まあ流石に子どもじゃないから二人の関係は分かるけど。


それでも昨日のこともよくわからないので、とりあえず一から順を追って説明してほしいと言った。