運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「俺が幸せにしてあげようか?」


その言葉にパッと顔をあげた。
そして、彼を見るとまた意地悪そうに笑っていた。

幸せにしてあげよう?
この人は、一体何を言ってるのだろうか?

そう思った瞬間、合点が入った。
この人はホストなんだ。
きっと幸せにしてあげるからお金を取るとか?


「心配しなくても、君が考えてるようなことはないから。あまりにも大声で叫んでる君に興味を持ったんだよね。でもその顔、面白いな」

ブフォと吹き出した彼は、こんな顔をしていたよと困り顔を作って見せて、私の真似だと言った。

「そ、そんな顔、してたんですか?私」

「うん。すごくわかりやすいね、君。で。話は戻すけど、君の言う幸せって?」


そう問われて考えた。
私にとっての幸せって何だろう?
頭の中で考えていると、また彼が私の顔真似。
そして、言葉に詰まった私に助言してくれた。


「今、思いつくことでいいよ。どうしたら君が満たされるか。俺に何をしてほしい?」


優しい口調が私を素直にしてくれる。
ゆっくりと口を開いた。


「……よく頑張りましたって褒めてほしい」


花火の音がいつしか聞こえなくなっていたけれど、私が発した声は耳をすませなくては聞こえないくらいかすかなもの。

でも、彼はそれをちゃんと聞き取ってくれたのか、ゆっくりと私に歩み寄ってくれた。


「……よく、頑張りました」


左手で私の頭を撫でて、そう言う彼の顔を見上げると、さっきまでの意地悪な笑みとは
違う優しい微笑みを見せてくれた。