運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「美味しい。タマゴサンドふわふわだ。フルーツサンドも入ってて豪華だし」


「良かったです」


「そういえば、優衣は参加するの?社内公募」


「私なんかが参加していいのか、まだ迷ってるんです」


サンドウィッチを食べながら、総一郎さんが切り出した話は、新商品の社内公募。

詳細は年明けだけれど、洋菓子部門での社内公募ということだけはわかっていて、どの部署からも参加は自由というものだった。


私は元々、商品開発に携わりたいと思っていたので、最初は飛びついた。

でも、今はこの社内公募に応募していいのかは悩んでいた。
私の部署と商品開発はまったく関係がないから。

その話をすると、総一郎さんは気にしなくていいと言ってくれた。


「そんなの関係ないって。社内公募でどの部署からも参加自由なんだから。優衣は少し、周りばかりを気にして、自分の気持ちに蓋をしてしまいがちだけど、素直になってもいいんだよ」


「総一郎さん・・・」


「やりたいと思ってるならやってみなよ。あっ、でもこの件では俺は優衣を贔屓しないから。だから俺に挑んできて」


「わ、わかりました。やってみたいと思ってたから背中、押してもらえて嬉しかったです。頑張ります。ありがとうございます」


「がんばれ」と優しく頭を撫でてくれる総一郎さん。それだけで本当に満たされる。頑張ってみよう。


そして、少しでも自分に自信を持てるようになりたい。