運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「やったー」

思わず嬉しくなってその場に飛び跳ねる。
明日は会えないと思っていたから、ソウさんの提案が本当に嬉しかった。


お兄ちゃんにも連絡しておこうと急いで、「連れて行きたい人がいる」と連絡すると無愛想ながらも「わかった」と了解を取ることができた。


嬉しい。ソウさんに会えるんだ。

早く、明日にならないかなとワクワクしながらそんな遠足の前のようなワクワクした気持ちのまま、私は明日の為の準備を始めた。




「おはよう、優衣」


「おはようございます。今日はありがとうございます」


朝九時、時刻通りにソウさんが家まで迎えに来てくれた。ニコニコと迎えてくれるソウさんに胸が高鳴る。


今までスーツ姿しか見たことがなかったけれど、ソウさんの私服姿は新鮮でとてもかっこよかった。


黒のスキニー、オレンジのニットセーターにネイビーのチェスターコートを羽織った彼は、幼く見えて、すこし親近感も覚えたりもした。



「どうした？」


「ソウさんがあまりにもカッコいいから見惚れてました。私服姿もとても素敵です」


「ほんとに？優衣も可愛いよ。俺も見惚れちゃうなって、あれ優衣、顔赤いよ」



ツンツンと私のほっぺたをつついてからかう総一郎さん。赤くならないわけがない。可愛いなんて言われたら。


「お、遅くなっちゃいますし、そろそろ行きませんか？」


「あっ、本当だね、はい、どうぞお姫様」


「お姫様」なんて言って、助手席のドアを開け、優しく微笑み乗せてくれるソウさんにドキドキした。