「優衣、賢い嘘をついたね。俺には思いつきもしなかった。でも、これで俺と優衣が親しくしていても、噂を彼女が広めてくれるだろうから安心して優衣に近づける」
「怒ってないんですか?」
嘘をついただけじゃなく、彼にそれを助長させてしまった。絶対に怒られると思っていた私はソウさんの言葉に拍子抜けしてしまった。
「怒るどころかむしろ感心してる。優衣といると新しい発見ばかりだ。でもこの嘘は俺たち二人の秘密。あの二人、特に男は信じてないだろうけど、堂々と嘘をついていよう。で、お兄ちゃんがいるのは?」
「それは本当です。医者の兄がいます」
「なら良かった。嘘は一つでいいからさ。今日から俺たちは会社では兄友。外に出たら恋人。いいね?」
「……はい」
ソウさんは私が頷くと、待ってましたと言わんばかりに「ずっと、こうしたかった」と強く強く私を抱きしめた。
私も今だけはとその温もりに浸り続けた。
そして私がついた嘘は、あのほんのわずかの時間にあっという間に拡散していたらしく、昼休み、私は質問攻めにあうことになってしまった。
「怒ってないんですか?」
嘘をついただけじゃなく、彼にそれを助長させてしまった。絶対に怒られると思っていた私はソウさんの言葉に拍子抜けしてしまった。
「怒るどころかむしろ感心してる。優衣といると新しい発見ばかりだ。でもこの嘘は俺たち二人の秘密。あの二人、特に男は信じてないだろうけど、堂々と嘘をついていよう。で、お兄ちゃんがいるのは?」
「それは本当です。医者の兄がいます」
「なら良かった。嘘は一つでいいからさ。今日から俺たちは会社では兄友。外に出たら恋人。いいね?」
「……はい」
ソウさんは私が頷くと、待ってましたと言わんばかりに「ずっと、こうしたかった」と強く強く私を抱きしめた。
私も今だけはとその温もりに浸り続けた。
そして私がついた嘘は、あのほんのわずかの時間にあっという間に拡散していたらしく、昼休み、私は質問攻めにあうことになってしまった。

