「それは全く気にするなとは言わない。なんとなく、言い出せなかったのは優衣がそう言い出しそうな気もしたからさ。でも、お互いの気持ちが同じなんだし、それで優衣がもし、引くのなら絶対俺は追いかける。そして手に入れるから」
「無理です」
「いいよ、好きなだけ逃げなよ。でも、覚悟して。俺は本気で優衣を自分のものにするよ」
逃げなよなんて言いながら、私の手を強く掴んで離さないソウさん。そして、私もそれを振り払おうとはしない。
離さなくてはいけないのに。
結局、お互いの意見は平行線のまま、ソウさんの就任の日がやってきた。
「蓮見総一郎です。父の代わりに次期社長に就任いたしました。至らない点が多いかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します」
本社社員は全員出席の就任式。
あそこにいるソウさんは、本当に次期社長としてのオーラを感じる。
《就任式でも優衣のこと、探すから》
本当は交換もしたくなかった連絡先。
私は、どう頑張ってもあのソウさんの隣にはいられない。
早く忘れなきゃと思う。
それなのに、ソウさんはあの日、強引に私の連絡先を聞いてきた。
「無理です」
「いいよ、好きなだけ逃げなよ。でも、覚悟して。俺は本気で優衣を自分のものにするよ」
逃げなよなんて言いながら、私の手を強く掴んで離さないソウさん。そして、私もそれを振り払おうとはしない。
離さなくてはいけないのに。
結局、お互いの意見は平行線のまま、ソウさんの就任の日がやってきた。
「蓮見総一郎です。父の代わりに次期社長に就任いたしました。至らない点が多いかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します」
本社社員は全員出席の就任式。
あそこにいるソウさんは、本当に次期社長としてのオーラを感じる。
《就任式でも優衣のこと、探すから》
本当は交換もしたくなかった連絡先。
私は、どう頑張ってもあのソウさんの隣にはいられない。
早く忘れなきゃと思う。
それなのに、ソウさんはあの日、強引に私の連絡先を聞いてきた。

