「私が幸せにしてあげましょうか?」


「えっ?」


「総一郎さん、赤ちゃんができました。私と総一郎さんの赤ちゃんが」


一瞬、目を大きく見開いた総一郎さんは、マジで?!と普段は言わないような言葉で驚き、私の肩を掴んだ。


「で、できたの?俺と優衣の赤ちゃん」


「はい。二ヶ月目だそうです」


総一郎さんは紙袋をそっと置くと私を抱き上げた。そして、そのままクルクルとその場を回った。


「優衣、どうしよう、俺、今本当に幸せ。ありがとう」


「私も幸せです」


ピタッと止まった総一郎さんはそのまま私に口付けた。その途端、去年は見えなかったはずの花火が綺麗に見えて、私は幸せを何倍も感じることができた。


「これからは家族で幸せになろうね」


そう言って、総一郎さんは私のお腹に何度もキスをした。


おわり