運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「そ、そうなんですよ。ダメでした。当然ですよね。締切ギリギリだったし、畑違いの私が選ばれるわけないですよね」


「バカだな、なんで俺の前で我慢するの？おいで、泣いていいから」


腕を引かれ、総一郎さんの腕の中に閉じ込められると、もう我慢できなかった。

あんなにもさっき悔し涙を流したというのに、涙が止まらない。

しゃくりあげるように泣く私を片手に抱き、もう片方の手で総一郎さんは優しく頭を撫でてくれた。


「よく頑張りました」


あの時と同じ。
頭を撫でながらくれる言葉も優しさも。

そして、総一郎さんは、私の涙がなんとか落ち着くと、パッと身体を離し、私にそっと手を差し出した。


「俺が幸せにしてあげようか？」


優しく微笑みながらそう言う総一郎さんに少し戸惑いながらも、私はそっとその手を取った。


「よろしくお願いします」




てっきり一晩中、抱きしめてくれ、甘い言葉をくれるものだと思っていた私にはこの展開は全くの予想外だった。