運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「多分、倍率がすごく高かったんだと思う。今回はダメだったけど、次は」


渚や的場くんがそんな言葉で励ましてくれた。

二人の前では「そうだよね」なんて笑ってごまかしたけれど、実際、結果をあれだけ待ちわびていたのにやっぱり悔しい気持ちが溢れてくる。


それでもそれを態度に出してはいけないと思った。私は自分に自信をつけたくて、エントリーしたんだ。

それが落選したことで自信をなくしてるなんて格好悪すぎるから。


その夜、渚とご飯に行くから遅くなると総一郎さんには嘘をついて、私は一人、終業後屋上に来ていた。


ここで全部捨てていこうと思った。
落ちた悔しさも自信のない自分も。


屋上のドアを開けると誰もいないあの日と同じ風景が広がって懐かしい感じがしたのと同時に胸を締め付けられるような気持ちになった。


悔しくて悔しくて、なんでなんでって涙が溢れてくる。

自信はなかったし、締切ギリギリのエントリーだったけれど、もしかしたらという希望を全然持っていなかったわけじゃない。