「優衣、本当に大丈夫?顔色本当に悪いからベッドに行こう。今日はもう無理しない方がいい」


「大丈夫です」


「優衣の大丈夫はもう聞かない」


私をお姫様抱っこで抱えあげた総一郎さんは、抵抗する私も無視して、そのまま寝室に入っていった。

そして、私をベッドの上に寝かせると、その横に自分も寝転び、私をギュッと抱きしめた。


「今日は朝までこうしてるから」


今にも唇が触れそうな至近距離。でも、触れるわけじゃなく、ただ、総一郎さんは黙って私を見つめるだけ。


「寝てないでしょ?クマできてる。それに肌も荒れてる」


「み、見ないでください」


両手で頬を包み込み、指摘されたところを隠そうとするけれど、総一郎さんの視線は変わらない。


「これ以上優衣が自分を傷つけるなら、俺は守るよ。俺は優衣が挑戦して、自分に自信をつけたいって言うから応援した。だけど、今の優衣は頑張るというよりも、ただ、自分を追い詰めてるだけ」


「そんなの分かってます。でもあともう少しなんです。締切も間近だし、ここで諦めたら全部ダメになっちゃいますから」