運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「少し、早いんですけど、バレンタインのチョコレートです。あまり凝ったものが作れず、生チョコなんですが」


「バレンタインのチョコまで作ってくれたんだ。ありがとう。いただきます。うん、美味しいよ、いつもありがとう優衣」


数日早いバレンタインだったけれど、総一郎さんはいつも私が作ったものを美味しい、美味しいと食べてくれる。

本当にその言葉が嬉しい。
ありがとうと言ってくれるその気持ちが嬉しい。


このままずっと総一郎さんと一緒にいられたらいいのに。

欲張りな自分がどんどんと顔を出す。
いつかは一緒にはいられなくなるのに。
結婚はできないはずなのに。



翌朝、総一郎さんの運転で向かったのは郊外にある温泉街。


そこで昼間はデートを楽しんだ。



名物に舌鼓を打ったり、観光地を巡ったり、そして夕方、その温泉街から更にその奥地にある旅館にたどり着いた。

離れにある客室には露天風呂があり、私は一人はしゃいでいた。


「すごいですね。こんな素敵なところ初めて来ました」


「ここはね、すごく有名なものがあるらしいよ。絶対に優衣喜ぶと思う。露天風呂の中にあるんだけれど、早速見に行く？もちろん、二人で一緒に入るってことだけど」


「・・・はい」