運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

なかったことにしようとした水野さんに、私がチクリと嫌味を言うと、慌てふためいた水野さん。

別に今は何も思っていないけれど、少しからかってみようかという私のいたずら心が芽を出した。

「あのときは、本当に辛かったよ」

「そ、それは・・・すみませんでした。ってか、そんなことより、バレンタインですよ！どうせ、優衣さんのことだから手作りとか考えてるんでしょ？高級チョコにするべきですよ。手作りなんて重い重い」


水野さんは自分に都合が悪い話をされると途端に毒舌になる。

最近はそれが可愛くてからかう余裕も出てきた。

でも、バレンタインか。


旅行のことや社内公募のことですっかりと頭から抜け落ちていたけれど、何か考えなくちゃいけないな。
そんなことを思いながら、水野さんと部署まで戻った。




時は流れ、明日は旅行の日。
プランはすべて任せてほしいと総一郎さんに言われたので、私は連れていってもらうだけ。


「明日、楽しみだね。雨も降らないみたいだし、少し寒いかもしれないけれど楽しもうね」


「はい。どんなところに連れて行ってもらえるんだろうと楽しみです」


二人で旅行準備を済ませ、リビングでコーヒータイム。
ちょうどいいと思い、私は立ち上がって、冷蔵庫から用意していたものを取り出した。