運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》

「また、来られたんですか。音羽堂さん。何度来られても返事は変わりませんよ」


牧場の中にある小さな売店へと入っていった総一郎さんに「またか」と小さくため息をついた恰幅のいい男の店員さん。きっとこの人がこの牧場の牧場主さんだろうな。


「今日は、牛乳を飲みに来ました。牛乳二本いただけますか？」


「えっ？あっ、はい。どうぞ」


総一郎さんの言葉が予想外だったらしく、店員さんは少しびっくりしていた。


「ありがとうございます」


売店で牛乳を二本買うと、総一郎さんはすぐに隣のレストスペースに行こうとしている。


どうしたんだろう？
契約のお願いしなくてもいいのかな？

そんな風に不思議に思いながらもバタバタと私も総一郎さんの後を追った。


「はい、どうぞ。優衣牛乳飲みたいって言ってたから。美味しそうだね。俺も飲もうっと」

「えっ、でも、契約のこといいんですか？」

牛乳瓶に入った牛乳を一本渡される。
それを戸惑っていると、総一郎さんはキャップを開けてグイグイと牛乳を飲み始めた。


「本当に美味い。優衣も飲んでみなよ。本当に美味しいから」


戸惑いながらも牛乳の蓋を開けて飲んでみると濃厚でとても滑らか。

さっぱりしていてゴクゴクと飲める。
それになんだろう、この感じ。