「もうこんな時間!私たちは先に行ってるから戸締りしてきてね。」


「は!?私、会合場所知らないんだけど!!!」


「大丈夫!夜叉が知ってるから!」


といって母は先に行ってしまった。


父は帰ってきた時には、もう行っていた。


「あれ?夜叉は…」


「ここだ。」


「!!!!?」


驚き過ぎて声にならず、後ろを見ると夜叉がいた。


夜叉がここにいつからいるのか知らない。


物心がついた時には、ずっと私の側にいた。


祓い屋でいえば、私の式である。


漆黒の長い髪の毛が片目を隠して見えない。


一応、目はある。


二胡(故弓)と弓剣を常に持ってる。


夜叉は本来、東アジアの妖怪である。


なのに何故か日本である此処に、私の側にいるのだ。