春奈said

『似合ってますよ。』


「そう?」


帰ってきてみたら、お母さんの式が黒のの着物を持って待機していた。


どうやらこれが、祓い屋の仕事着らしい。


祓い屋としての仕事の時はもちろん、会合など集まりがある時はこの着物を着なければならない。


18歳からその会合には行かなければならないのだが、私は特別に17歳でも行っても良いらしい。


「あら、似合ってるじゃないの。」


いつ入ってきたか分からない母が、私を見て言ってきた。


「なんか…、違和感あるんだけど。」


「大丈夫よ。すぐに慣れるわ。」


着物といっても、普通の着物と比べたら多少動きやすくなっている。


でも初めて着るから、動きにくいのは動きにくいのだ。