奇跡=運命。

「あのぉ」



「あっはい。あっおばあさんに聞いてくださったんですか？行けますか？」



そう、私はこの人にさっき話しかけられ、今手伝いを終わりにさせていいかをおばあちゃんに聞いたのだ。


すると案外おばあちゃんはオッケーしてくれたんだった。



「あっ、はい大丈夫みたいです！それより親に怒られたくないのでそっちの店の裏の方で待っててください。着替えてくるので。」



「あっはい。」




そうして私は店での制服から私服に着替えたのだ。


そして、名前も知らない男性と近くにあるファストフードチェーン店に行った。



「あっ、名前知らないよね。俺はヒグチソラです。ソラは、天って書きます。えっとこの近くの高校に通う高1です。よろしく。」



「天さんですか。いい名前ですね！私は、イナムラワカナです。羽に奏でるです。中3です」



「羽奏さんね。顔と合って可愛い名前だね。さっきはいきなり話しかけてここに誘ってごめん。でも、また会えたのは奇跡だと思って。」




「ちょっとびっくりしましたけど大丈夫ですよ！確かに奇跡ですよね。もし天さんが、店に来なかったら会えなかったし。」




「あっ、あのさ俺のこと、天って呼んで。あと敬語とか使わないでくれる？気ぃ使って欲しくないから。」



「えっ。いきなりですね。まぁいいですけど。じゃあ私のことも羽奏って呼んで下さい！」




初めて話したようなもんなのにいきなり敬語使わずにってこの人何なの？



意味わかんないんだけど。まぁ一応この人に合わせよう。



「おっけー！じゃあ今日はこれぐらいにしようか。今度はいつ会いてる？あっ別に羽奏のこと口説いてるわけじゃないし、用事とかあるならまた今度でいいよ。」



「えっ。いや別に天さ、天のこと疑ってないよ…」




普通に考えて口説いてるようにしか見えないだろ！



私は心の中では怒りを覚えながら応えた。




「じゃあ私の部活がない木曜とかはどう？」




「木曜かぁ。俺部活あるんだよね。1週間後のこの時間にここで会わない？」



「えっ。いやその日はちょっと。土曜日はどう？」




こんなやりとりが続いて、結局何の約束もせずに私が親から電話がかかってきたため、別れることにした。