「あの〜、どうしたんですか?」



「いえ、怪しいものではないので。」




その男性はお辞儀をして帰ろうとした。



しかし、私はあの男性が少し困っていそうな雰囲気だということを見抜いた。




「何か困っていることがあるんですか?」



「あっ!あなたはこの学校の人ですね。ではお願いがあるのですが。」




「そうですがなんですか?おねがいって。」



「これを私の妹に届けて下さい。部活着なんですが。クラスは中等部2年B組です。ヒグチミオといいます。」



「えっあぁはい。わかりました。」



あっという間に行ってしまった。


誰だったんだろう?


とても気になるところだがみんながそろそろ登校し始めたから私も早く行かないと。



中等部棟の2-Bの教室の前に来た。



ヒグチミオさんか、もう来てるのかな?



2-Bの後輩って誰だっけ?



教室の前で少し考えていると、話しかけられた。



「羽奏先輩?何してるんですか?ここ2階ですよ?」



「あっ!海月ちゃん。海月ちゃんって2-Bだっけ?」


「はい。そうですよ!誰に用なんですか?」


「あっ、ヒグチミオさんっている?」


「あぁ…いますよ! 美桜ー!わたしの先輩が呼んでる!」



「うん。稲村羽奏先輩?どちらですか?」



「あぁヒグチミオさん?あの私、今日校門であなたのお兄さんに会ってこれを届けて欲しいって言われたんですよね。あっ、中等部3年の稲村羽奏と言います。」



「えっあっ!ありがとうございます!これ今日家でめっちゃ探したのに出てこなくて、焦ってたんですよ!本当にありがとうございます!」


「大丈夫ですよ!じゃあ海月ちゃんもありがとう!今度部活でね!」


「はーい!」


私は無事ヒグチミオさんにお兄さんからの届け物を届けたし、教室に戻らないと。