「ならば運命の地・天神学園へと向かいましょう、目指すはあっち!」

ブーツの踵を鳴らし、エレナは年季の入った鞄に荷物を纏めて、大正レトロな屋敷を後にする。

因みに学園は現在冬休みです。

きっとエレナの頭の中には、蒸気機関車に揺られて長旅の末、華の帝都に赴く自身の絵が浮かんでいるに違いない。

世は21世紀、JR全盛の時代だというのに。

年末で大変混雑しております、大した用のない奴は家に居やがれゴルァッ!

無論、マブチモーターばりに高速空回りするエレナに、理事長の有り難い言葉など届こう筈もない、嗚呼届かない。