「夕城指南役としてお役目を仰せつかったからには!」

抜刀した菩薩を、今度は縦一文字に振るう。

ティーセットを載せた調度品の机が、一刀両断される。

君はアレか、周りを見ていないのか。

「この夕城 エレナ、立派に務めを果たして参りますっ!」

「きゃー、カッコいいわエレナちゃん」

呑気に拍手するセレナママ。

ヅカの舞台気分。

部屋はバケツの水が床を濡らし、ティーセットが砕け散り、机が真っ二つにされる惨状。

そんな花も嵐も踏み越えて、片付けもせずにエレナは往く。