甲斐が留守の間の将軍家の護衛は、ヒノモト自警団が務める。

彼は安心して天神へと向かえばいいとの事。

「ごめんね、リュート君の無理なお願いだけど、よろしくね?」

金髪(ウィッグ)のロングヘア、目のやり場に困るビキニアーマー姿のご婦人が、甲斐の前に現れる。

勅使河原 古奈美。

将軍の正室だ。

「美緒は御転婆だけど寂しがり屋のとこもあるから…同じヒノモト人の君が行ってくれれば、きっと喜ぶわ。天神に渡航する為の転移装置『関所』は、こっちで準備しておくから」

「因みに」

大広間から失礼して、旅支度を整えようとしていた甲斐の背中に、リュートが言う。

「美緒に何かあったら、お前打ち首の上、獄門の上、水責めの上、牛裂きの上、銃殺の上、ギロチンの上、絞首の上、毒殺の上、電気椅子の上、晒し首の上、無期懲役だから」

もう死んでるのに無期懲役とか。

何それ怖い。