天神学園のお忍びな面々

空手の試技に、瓶切りというものがある。

手刀で酒瓶の首を刎ねる技。

正確には『切る』のではなく『割る』のだが、下の部分を残して首の部分だけ吹き飛ばす様は、まさに『首切り』である。

だが、先輩のこの手刀は瓶切りではない。

酒瓶などとんでもない。

鉄瓶すら切断しそうな手刀。

言うなれば『鉄瓶斬り』か。

下手をすれば、蘭丸の夜桜すらへし折られかねない。

「辻斬りならば返り討ちも已む無し」

腰をどっしりと落とす先輩。

その姿は、金棒を今まさに振り上げようとする、悪鬼羅刹そのもの。