天神学園のお忍びな面々

あのキャンキャン喧しい大陸育ちの先輩女教師に説教されるのか。

そう思いながら職員室に戻った雷は。

「!」

職員室内の異様な雰囲気に気付く。

翡翠が、龍娘が、臨戦態勢でその場に立っていた。

抜刀こそしていないものの、拳こそ握り締めていないものの、いつでも戦闘開始できるほどの態勢。

「どうした」

声をかける雷に。

「鹿島、来たか」

龍娘は振り向く事なく言った。

「貴様に来客だ」

「……」

雷は、視線をその来客とやらに向ける。

…大男が立っていた。

職員室の天井にも届こうかという背丈。

雷以上に筋肉質な体格をしている。

額には眉間を中心に無数の縦皺が寄っており、恐ろしい剣幕。

髪は、ややカールのかかった茶の短髪。