天神学園のお忍びな面々

その頃。

校庭で鎌瀬戌のヤンキー達、体育館裏で天神学園のヤンキー達を立て続けに仕置きした雷は、校舎屋上の給水塔の上にいた。

教師が授業時間中に、屋上でサボリとは。

しかし。

「まぁ構うまい。下平にはそういう契約で貴様を紹介している」

昼日中なのに無数の蝙蝠。

その蝙蝠が群れをなして集まり、人の形を形成した。

そこに現れたのは、インバネスコートを纏った黒い長髪、顔色の悪い、陰鬱な表情の男。

「…ヴラド・ツェペリか…」

雷は肩越しに振り向いて言う。

雷を天神学園の臨時教師として、下平 アルベルト学園長に斡旋した張本人。

ヴラドは、雷とは旧知の仲だった。

同じ『人ならざるもの』として。

「貴様は教師という肩書きだが、本当の役目は天神学園の清浄化…もう少し柔らかく言うならば、学園内の改革だからな」