「もう一度言うぞ」

別段ダメージを負った様子もなく、雷は言った。

「今は授業中だ。教室に戻れ」

「ぐ…こ…この!」

電撃による痺れや苦痛もあるだろうに、一つ目入道はタフだった。

傍に立てかけておいた鉄の棍棒を振り上げる!

この棍棒で、並み居る敵…喧嘩を吹っ掛けてくる男子生徒、時には教師さえも叩き潰してきたのだ。

彼にも天神学園番格としてのプライドがある。

このまま引き下がっては、まるで負け犬同然ではな「い゛っ!」

そんな思考が、苦痛の声で中断された。

打ち込まれる、雷の拳。

打撃の威力は申し分ない。

巨体の一つ目入道が、思わず動きを止めてしまうほどの重い拳。

だがそれより何より、拳を受けた箇所に、稲妻に打たれたような衝撃が走った。

否。

『稲妻を受けた』。