その金属バットを片手で摑み、ぐにぃ、と。

男は飴細工のように捻じ曲げた。

いともあっさりやってのけるその光景に、固まるヤンキー達。

男は言う。

「お前ら…野球部か?」

「い…いえ…」

「ならソフト部か?」

「いえ…」

「なのに金属バットを持って校内で何をしている」

「そ…それは…」

借りてきた猫のように大人しいヤンキー達。

「野球部でもソフト部でもないのに金属バットを持ち、バイクを校庭で乗り回し、暴言を吐く…」

男はもう一度、ヤンキー達を睨んだ。

「貴様ら、『悪党』だな」