当時ヴラドは、天神地区にはいたもののまだ教師ではなく、武闘派教師陣だった早川 龍娘や夕城 翡翠らで対処していたものの、弱いながらも数の多いヤンキー達の対処には手が回らず。

何より相手が弱すぎる。

翡翠や龍娘のような猛者では、うっかりやり過ぎてしまう事にもなりかねず、地味に鎌瀬戌高校のヤンキー達との抗争は大きな問題になりつつあった。

職員室。

「だから」

龍娘が立ち上がり、机をバン!と叩く。

「ちょっと殴り過ぎちゃった、テヘペロ♪とかで済ませばいいだろう。奴らこちらが迂闊に手を出せないと思って増長しているのだ。ヤッてしまえばよかろう、ヤッてしまえば」

嗚呼龍娘、不穏な発言が見え隠れ。

「阿呆め、ヤッて済むものなら、とうの昔に俺がヤッている」

愛刀・川蝉を肩に担ぎ、翡翠が言った。

「俺と貴様は、既に教育的指導を行使し過ぎて天神学園、鎌瀬戌高校双方のお偉いから目を付けられておるのだ。下手な事をすれば減俸では済まん。貴様の夢である中華料理店が潰えるぞ。何だ…龍虎軒だったか?」

「う…むぅ…」

翡翠の言葉に、龍娘も怯む。