天神学園のお忍びな面々

それは、危険極まりない行為に見えた。

臥龍と魔物の力を持つ者が、2人がかりで紀州に襲い掛かる。

拳が、刃が、容赦なく紀州を攻め立てる。

四季・色彩銘刀、春の刀、夜桜。

無手の紀州にとっては、受ければたちまち致命傷の一撃だろう。

ましてや蘭丸は、早々に斬鉄を仕込んでの攻撃を仕掛けてきている。

まだ仲間達の強さを知り尽くしていない紀州にとっては、全ての攻撃が一撃必殺。

そう思って蘭丸の攻撃を警戒していると。

「ぐっっっっっっ!」

爆発の衝撃と見間違う程の凄まじい威力を誇る拳の猛打が、紀州を海まで吹き飛ばした。

翻子八閃打(ほんしはっせんだ)。

龍鬼の拳を受けた脇腹がミシリと音を立て、青紫色に腫れ上がる。