天神学園のお忍びな面々

「メンドクセェやり取りは無しだ」

蘭丸がスラリと夜桜を抜く。

まだ朝早いうちだが、ギラギラと照り付ける太陽。

その日差しを浴び、刃は光り輝く。

「俺もそろそろ、臥龍の力を全開で使っても相手できる修行相手が欲しかったところだ。剣の修行も勿論だが、臥龍の力も使わねぇと、錆び付いちまうからな」

「おぅよ」

龍鬼もまた、拳を鳴らす。

「俺はリュークや牡丹、蘭丸はレオ。絶対負けたくねぇ相手がいる。そいつらをぶっ倒す為には、『人間としての力』だけじゃ足りねぇ。もっと超越した力が必要だからな。強ぇ修行相手は何人いても事欠かねぇ」

2人はそれぞれ、紀州と相対して構える。

「いいか。俺らはお前を只の人間として相手しねぇ」

「一端の『化物』として、2人がかりで挑む。死にたくなけりゃ、全力でやるこった。自分の中の犬神の力を揺さぶり起こしてでもな」