天神学園のお忍びな面々

甘ったるいスポーツドリンクだ。

牡丹は喉が焼けるような酒の味の方が好みだ。

が、確かによく冷えたスポーツドリンクは、渇いた体に染み渡るような気がする。

体の事を思えば、こちらの方がいいのだろう。

このような事を世話を焼いてくれる者は、幼少の折の母以来だろうか。

思えば豆柴は、母とも気性が合う。

こう見えて似ているのだろう。

「…乳以外は」

「何の話ですかっ」

牡丹を睨む豆柴。

「口を開けば乳、乳と!牡丹は乙女の聖域を何だと思っているですか!」

「くノ一は色仕掛けで敵将を篭絡する事もあるのだろう。乳は女の武器だ」

「汚らわしいです!私はそんな事はした事はありません!リュークも番犬の任務とはいえ、そんな真似はするなときつく言っていましたです!」

「そうか」

スポーツドリンクを一気に飲み干す牡丹。

「世話焼きらしいリュークらしい話だ」