「む」

向かおうとして後頭部を叩かれ、彼は振り向いた。

立っていたのは指南役のエレナ、そしてマモルと豆柴。

「阿呆ですか貴方は」

開口一番、エレナが言う。

隣でコクコク頷くマモル。

「……」

無言のまま、エレナを睨む牡丹。

何故叩かれた、何が阿呆なのかと言いたげな顔。

「全く…」

エレナは溜息をつく。

彼女は豆柴の顔を見た。

「豆柴、教えておやりなさいな。この阿呆に、叩かれた訳を」

「はいです」

普段虜囚だ愛玩犬だと馬鹿にしてくる牡丹に、説教くれてやるチャンス。

豆柴は腕組みし、ドヤ顔で彼を見た後。

「瓶をラッパ飲みとかお行儀悪いです!」

「「いやいやいやいやいやいや!」」

速攻でエレナとマモルにツッコまれた。