思えば、リュークは椿との立ち合いの前から、老師との修行を炎天下で行っていたのだ。

碌に水分補給していない。

フラリとよろめき、砂浜に倒れるリュークに。

「リュークッ?」

いても立ってもいられず、ディアが駆け寄る。

すぐに抱き起こし、膝枕して額に手を当てる。

随分と熱い。

軽い熱中症だろうが、水分補給と体を冷やす事は必要だろう。

「フラウ、ウンディーネ!」

ディアが氷と水の精霊を召喚する。

この2柱に回復能力はないが、熱中症ならば最適だろう。

《あー、ディア膝枕~》

《なかなか隅に置けないじゃない》

「茶化さないで!いいから!」

からかう2柱に言いつつ、ディアはリュークの介抱を行う。